夢見
さようなら、という言葉は人があくまで独りであることを強調していると思うのです。
さあ、それでは。
あなたはそちらへ行くのですか、わたしはこちらに。
甘い余韻さえも残さずに淡々とそれぞれの方向へ向かう、そうやってそれぞれの生がわずかに並行する時が、短いあのひと、長いあのひと。
1ヶ月程前に夢の中でさようならの挨拶をした。
まるでどうにも修復できない傷を負ってしまった恋人への気持ちのような、「終わってしまった感」を、なんとなく事実上の現実(というのも変な表現だけど)として受け止めてしまっている、切ないけれど静かで軽やかな気持ち…。
しかしそれを、本当の現実で、その相手が同じ別れを匂わせた時は堪らない気持ちになった。
「先日、ある人がふと、挨拶に来たんだよ。自分はもう大丈夫だから、って手を振って行ったんだよ」
多分わたしなんだろうな、と思いながら聞いていた。
でも例えそこに周りの人がいなかったとしても、私にはその相手が私であったかを確かめる勇気は持たなかっただろう。私にはまだ、その人のもとで学びたいことがたくさんある。
ただ、その形を、今までとは同じではなく心を変えて、、、、毎回新しい気持ちで、これから過ごす時間を大切にしようと決めました。
ちょっとだけ、宇宙の流れにパドルを立てて、スローダウンして流れてみることにします。